職場
インタビュー

看護師・保健師としてキャリアを積んでいく中で、メンタルヘルスを学ぶことはとても重要だと考えていました。ただ、子育て真っ最中の私は、“子育てとの両立＝夜勤なし”の勤務ができる職場を最優先に探していました。そんな時に精神科医療センターの派遣スタッフの募集を発見。派遣なら時間の融通がきくし、前職の同僚からも「働きやすいよ」と聞いていたので興味が湧きました。でも、精神科は学生時代の実習で経験したきり。何十年も前の教科書の知識しかないけど大丈夫かな…という不安はありましたが、メンタルヘルスを学んでみたいと思っていた私にとっては、すごく良いチャンスなのかもしれない。そう思い立ち、応募しました。

入職してからは、驚いたり迷ったりすることもありました。例えばナースコールが鳴れば、急いで患者様のもとへ駆けつけるのが当たり前だと思っていましたが、ここではそうとばかりは言えないんです。ナースコールが鳴っても自身の業務を続ける同僚たちの姿に「早く行かなくて良いのかな？」と気になっていました。そんな私の様子を見て、すぐに声をかけてくれたのは職場の上司。「場合によってはナースコールに即対応せず、様子を見た方が良いときもあるんだよ」と話をしてくれました。その後、１週間程勤務を続けていく中で「なるほど、そういうことか」と実感しました。いろいろな状況の患者様がいて、その方に合わせた対応がある、ケースバイケースなのだと腑に落ちました。

他にも、どうしたらいいのだろう？と戸惑う場面は今までにもありましたが、先輩たちがすぐ相談に乗ってくれるし、教えてくれました。カンファレンスでは病棟全体で患者様の情報を共有しています。「困っています」「じゃあこうしてみましょう」と誰かの課題をみんなで考える風土が浸透しています。医師も看護師もワーカーもひとつのチーム。そして、患者様の退院後の生活まで見守っていけるのがいいですね。この患者様にピッタリなグループホームはどこ？とか、自宅療養のための環境整備をしましょう！とか。今後、自立して生活をしていくために、薬の飲み方やお金の使い方なんかもフォローしていく。私自身の中でこれまでになかった看護でした。

「仕事の愚痴、言わなくなったね。」とある日、主人から言われました。自分では気づいてなかったのですが、家族からしたら大きな変化だったんでしょうね。１番の理由は、職場の雰囲気がいいからに違いありません。スタッフ同士、職種関係なく、知らないスタッフでも新人さんでも「おはようございます」「お疲れ様です」と声掛けをし合ってとても気持ちが良い職場なんです。先輩看護師たちは、患者様から“聞くプロ”なので、休憩時間中に私の困りごとを聞いてくれることもあります。お互いの大変さを共有して、分かりあい、話ができる環境です。他にも研修に参加したり、様々な症例に対応しながら現場で勉強もしっかりできますよ。子どものお迎えのための退社時間もまわりが気にしてくださり「早く上がってよ」と言ってくれます。働きやすさを実感しています。