職場
インタビュー

理学療法士の資格取得後、病院でのリハビリテーションを中心に、入院・外来・訪問リハビリなど、30年以上にわたって様々なリハビリの経験を積んできました。病院では小児から整形外科、内科、神経内科、脳外科など幅広い疾患の患者様のリハビリテーションに携わってきました。定年を迎えるにあたって、今までの経験を活かして“まだまだ理学療法士として働きたい”と思い、65歳まで常勤として働ける、しおかぜに転職しました。病院では、機能の向上を目的としたリハビリがメインでしたが、特養の場合は機能の向上というより“維持”が中心になってきます。ここでは寝たきりの方も多くいらっしゃいますが、そんな中でも、皆さんがもっと安楽に今後の生活を過ごすためのお手伝いが出来ればと入職を決めました。

特養の入所者様の定員は110名でショートステイが10名。満床になると120名の方をチェックしなければなりません。毎日全員の方と関わることは難しいですが、全ての利用者様に顔を覚えていただいて、何か変化があった時にすぐに対応できるよう、日々のコミュニケーションを大切にしています。入所していても、昨日まで出来ていたことが今日は出来ない、ということもありますので、利用者様の小さな変化に気付くことができるよう、作業療法士とも連携しながらリハビリに取り組んでいます。デイサービスなど法人内の他の事業所に所属している理学療法士や作業療法士とも月に1度集まって情報共有するようにしています。介護の現場では、自分の子どもと同じくらいの20代前半から30代半ばの若い世代の人たちがたくさん活躍しています。皆さんとてもしっかりされているし、勉強熱心なので私も学ぶことがたくさん。「一緒に考えよう、一緒にしよう」というスタンスで皆さんと一緒にがんばっています。

自分たちで考えて、自分たちでやっていく。「これはやってはダメ」「こうしないといけない」という事がないので、自由にできる環境だと思います。個々の利用者様の様子をよく観察して、良いと思う事であれば、どんどんやっていけるのが魅力です。例えば、クッションの置き方一つにしても、介護職員にも相談しながら「ここにクッションを置いてみようか」「こういう姿勢が楽なんじゃない？」と、一緒にポジショニングを考えたりして。みんなで一緒に考えてやっていく。その過程が楽しく、やりがいでもありますね。
“機能の向上のためにリハビリを頑張る”というより、“少しでも日々の生活が楽に過ごせるように” という思いのもと利用者様に関わらせていただく中で、「安居さんと一緒にならやってみようかな」という姿勢を見せてくださる利用者様も増えてきて。「あぁ、やってて良かったな」と感じています。

ポジショニングや福祉用具については、私もまだまだ勉強中です。外部へ研修へ行ったり、作業療法士や介護職など他職種のスタッフに相談することもあります。若いスタッフたちは、知恵や発想が豊かなので学ぶこともたくさん。利用者様のために、自分たちがもっと知識やスキルを身につけられるよう、まずは中間的な立場の私が学ぶ姿勢を見せる事で、そういう事がきっかけになって若い世代の人たちにも伝えていければ良いなと思っています。しおかぜは、いろんな人たちの“居場所”を作りたいという思いのもとで運営している法人です。入居者様はもちろん、そのご家族、ここで働くスタッフ、地域住民の方々等、「その人がその人らしく」社会生活を送れるように、皆の“居場所”を作っていけるよう、これからも日々研鑽していきます。