職場
インタビュー

私がもともと重症心身障がい児（者）の方々を対象としたサービスをやりたかったこともあり、以前の施設の頃から重症児（者）の利用者様にも安心してサービスを受けていただける体制づくりに力を入れてやっていました。その後、勉強のため福岡県の障がい者支援施設で児童発達支援責任者として就業し、側弯症の利用者様をはじめ、色々な知識・経験を積みました。いつかまた、岡山に戻って経験を活かせたらいいなと思っていたところ、声掛けがあってまたこちらに戻ってくることになりました。今はまだ全国的にも少ないですが、「重症児（者）に特化した共生型サービス」を目指して、重症児（者）の方々が最後まで居宅で安心して生活できるようにサポートしていきたいと思っています。

現在、生活介護では19歳～66歳の障がい者の方々にご利用いただいています。その内、精神の利用者様が7割、重症児（者）の方が3割です。日中一時支援の重症児の子どもたちも6名程ご利用いただいています。重症児（者）の方は医療的ケアが必要ですので、気管切開や胃ろう、注入などにも対応しています。現在は、3名の看護師が在籍していますが、今後更に重症児（者）の利用者様のウエイトを増やしていくためにも追加で看護師を募集しています。側弯防止や立位保持などのリハビリについても、専門のリハビリ職の方に来ていただけたら心強いです。当施設では排痰のスキルもしっかり身に付きますので、「ここでサービスを利用した後は、すごくスッキリした」「翌日はすごく調子が良い」と、ご家族様に言っていただけるのがありがたいですね。自分たちのやってきたことは間違いではないと自信にもなります。医療的なスキルがしっかり身に付きますので、医療・福祉の面ではすごく充実できると思います。

早島支援学校と情報交換をしたりと、地域福祉にも力を入れています。毎週金曜日には買い物レクを行っているのですが、精神の利用者様だけでなく、あえて重症児（者）の方も一緒にお連れして、地域の皆様に利用者様を知っていただく機会を作っています。親同士はだいたい繋がりができているのですが、メープルホームの社会的資源を使うことによって、親御さんたちの知らない利用者様のコネクションが出来上がれば良いなと思っています。また、メープルホームでは音楽レクもやっていて、12月には地元岡山の「ふらここオーケストラ」というオーケストラにも来ていただく予定になっています。スピーカーから聴く音と違って、生の音楽の場合は、空気の振動で耳に音が伝わって耳が痒くなるんです。ABA（応用行動分析）でもエビデンスが出ているのですが、ご家族様に伝えたら「ここまでしてくれるなんて」と、すごく喜んでくださいました。バイオリンやチェロ、フルート、ビオラなど、生の楽器演奏を重症児の子どもたちにも聴かせてあげたいですね。

親はどうしても順番的に子どもより先に亡くなってしまうので、残された子どもたちのことを心配しなくてもいいように、障がい者の方々が最後まで安心して過ごせる、グループホームやショートステイを作りたいと思っています。一緒に働くスタッフに求めるものは、スキルや経験よりも人間性が一番です。「人が好きな人」だったら大歓迎です。障がい者の方々は経験値がないので、まずは興味を持ってもらうことが私たちの仕事です。リハビリ一つにしても「今からリハビリしますよ！」の声掛けだと利用者様は緊張して筋肉が固まってしまうので、遊びのリテーションとして、遊びながら一緒に楽しんで取り組める人が良いです。利用者様の“心に火を灯す”ようなことができる人に仲間になってもらえると嬉しいです。私の仲間が全国にいますので、学びたい人には積極的に研修を受けていただくこともできます。障がい者福祉に思いのある人であれば、障がい者分野での経験は問いませんので、私たちと一緒にメープルホームを躍進させていってください。