職場
インタビュー

はい。例えば我々はリハビリテーションに力を入れています。特別養護老人ホームのサービスとしては他にあまりないかもしれません。ご利用者様が普段の生活の中で、ご自身の持つ能力を維持・向上させ、よりスムーズに自己実現を果たすことができるようお手伝いさせていただいています。ご利用者様は「生命が途切れるまで成長し進化する存在である」という人間観に基づき、日常のケアを実践しています。

ご利用者様とそのご家族、また地域の皆様と“共にある”のが私たちです。高校・大学・専門学校・ヘルパー講座の実習生を積極的に受け入れて、福祉・医療業界に今後関わっていく後進の育成に意志を持って取り組んでいます。教えること＝学ぶこと。「教える側」「協力する側」に立つことで当施設のスタッフたちは自らを客観視できます。あらゆる気づきを得て、彼ら自身も成長してくれたら私たちが提供するサービスの質もどんどん向上するでしょう。

スタッフのみんなが大きく成長してくれました。嬉しいのは彼らの自発性です。日常業務の中で、ご利用者様とそのご家族に対して「何をしたら喜んでもらえるのか」ということを進んで考え、徐々にその思いを表してくれるようになりました。食事に自分たちのお手製料理を加えたバイキングやご利用者様と一緒に行う畑での収穫作業を企画するなど、アイデアを実現させてくれているのが頼もしいですね。特に口を出したわけではありません。きっと行動を起こしてくれる、と彼らを信じて待っていました。

私たちはご利用者様の存在そのものを「あるがままに受け止める」ことで個人の尊厳と人権を尊重したケアを成り立たせたいと思っています。また、当施設とご自宅での生活に「落差」が生じない工夫・努力をしています。瀬戸の海に浮かぶ小島や水島の夜景など、周辺の恵まれた自然環境を活かして、季節を肌で感じていただける癒しいっぱいのサービスを提供したい。そして、スタッフたちには、未成熟な部分をお互いにフォローしながら一つのことを成し遂げるチームとしての団結力を大切にしてもらいたいですね。「完全な人なんていない」それを認識すれば、スタッフ同士、ご利用者様に対しても自然と心持が変わってくるはずです。介護の現場に「これでヨシ」という妥協点はありません。「人に携わる専門職」として、どこまでも高い理想を目指し、進化してもらいたいと思います。