職場
インタビュー

転職先に精神科を選んだのは、メンタルヘルスに関わる仕事への興味が高かったからです。転職前の勤務先は大手企業の健康管理センター。そこで、働き盛りの方々の中にメンタルヘルスに問題を抱えていらっしゃる方が多くいるのを実感し、もっと奥深い領域を勉強したい、という思いが高まりました。精神科医療センターは児童・思春期の患者様にも対応していますので、卒業後から8年間勤めた大規模総合病院のNICUなどでの勤務経験も活かせるのではないかと思っています。現在は、医療観察法で入院している患者様をケアする病棟を担当しています。

子育てを中心にしていた6年弱のブランクからの復帰です。しばらく現場を離れており、業務に不安はありましたが、同僚・先輩・上司の皆さんが本当に穏やかにサポートしてくれましたのでスムーズに仕事に慣れていけました。ありがたいことです。ドクター、ナース、臨床心理士、作業療法士、精神保健福祉士、事務など異なる職種の10人ほどでチームとなり、患者様一人ひとりを支えています。私は看護師として日常の生活を見守り、食事や掃除のサポート、薬の管理、金銭管理など社会復帰に向けての訓練をお手伝いしています。患者様をきめ細かく観察し、様々な配慮を徹底しながら、信頼関係を築いています。

私が実践したいと思っているのは、「人として成長する」ということです。働く仲間たちとお互いに思い合い、尊重し合いながら、連携し、患者様にとって良い看護ができればいいですね。チームではできる限りコミュニケーションが活発になるよう、患者様についての情報交換を密にしています。先輩たちの対応、声掛け、退院した患者様へのフォローの仕方などは勉強になることばかり。小さな気づき、「やってみよう」という発想など、新しい視点や考え方などを知って、自分自身の幅は着実に広がっていると思います。ゆっくりとした治療期間の中で患者様たちの頑張っておられる姿を見守り、回復をサポートできるこの仕事を、選んで良かったな、と思っています。

患者様が好きです。ふと見せてくれる表情や気遣いに心を動かされることがあります。「見る力」を研ぎ澄まして、患者様の変化をいち早くとらえ、また、患者様の良い所をどんどん見つけたいと思っています。焦らずゆったり流れる時間の流れが、今の自分にも合っているのかもしれません。子育てもひと段落。仕事にじっくり取り組みながら、趣味のパッチワークも再開出来たらな、と思っています。経験がなくても「これから学びたい」という気持ちがあれば大丈夫。やる気があらわれた時、それがいいタイミングなのだと思いますので、転職を考えている方には、経験の有無やブランクを気にせず、精神科にチャレンジしてみてほしいと思っています。