職場
インタビュー

将来的に自分の暮らす地域に貢献できる仕事をしたいと考えていました。精神科の看護は避けて通れない道だと分かっていたのですが、自分には向いていない、そのような気持ちが強くありました。患者様の気持ちに寄り添いすぎて自分も苦しくなってしまうのではないか、自分が患者様を良くしてあげられなかったらどうしよう、…と思うと、挑戦の一歩が踏み出せなかったのです。ですが、希望する働き方が叶い、また、子育てとの両立もしやすいと聞いて精神科医療センターでの勤務を決断。将来に役立つ経験ができる、という期待はありましたが、もちろん最初は不安だらけでした。

慢性期、退院支援、静かな環境が必要なエリアの方など様々な症状の患者様を自分の習熟度に合わせて担当させていただいています。複数の先輩たちとチームで患者様をケアするので、いつでも何でも質問できるのがありがたいですね。情報共有も盛んなので一人で責任を抱え込むようなことは全くありません。自分が成長したなと思うのは、患者様の話をよく聞けるようになったこと。以前は患者様の要望をそのまま受け止めることが多かったと思います。今は、さらに話をよく聞いて、例えば「薬が欲しい」という要望に薬を飲まなくてもいい解決方法を見つけるなど、患者様にとって最適な対応を考えられるようになりました。

患者様に名前を覚えてもらえたのがとても嬉しかったです。「女性は苦手」というような方もおられるのですが、毎日少しずつ話しかけて普通の他愛もない話をしているうちに、困っていることを教えてくださるようになりました。売店で買い物をしてこられたときに「何を買ったの」と聞くと、「パン」とだけ返ってきていたのが、いつからか「パンを買ったからお釣りはこれだけだった」と質問以外の話もしてくれるようになったり。心を開いてくれたのかな、と思えます。頻回な関わりが信頼に繋がっているのを実感します。

他では経験できない人と人とのコミュニケーションを学べています。話術そのものだけではなく、表情の見方やパーソナルスペースの取り方などを様々な場合、シチュエーションで実践的に。先輩がナースコールで呼ばれたら「どんなケアをするのだろうか」とついて行かせてもらうこともあります。先輩たちの対応は時と場合によって柔軟に変化するので本当に勉強になります。プライベートでもその学びは活かされていて、私自身、子どもと向き合う時には、以前より子どもの気持ちを尊重し、話を聞くようになっていると思います。帰宅後には子どもと触れ合う時間をしっかり確保。職場でも子どもや育児の話をすることは多いですよ。学びがたくさんある職場だと思います。