職場
インタビュー

私は、自分に任された仕事を「後はお願い」と残して帰るのは気が引けてしまいます。なので、これまでは定時が過ぎて「帰っていいよ」と声を掛けられてもなかなかキリがつくまで残業してしまう、ということが度々ありました。私と同じような方は多いのではないでしょうか。しかし、この職場では定時が近づくとまず師長が声を掛けてくれ、仕事の進み具合を見て、定時に仕事が終えられるような業務配分を手伝ってくれます。計画通りに業務が進まなかった日も師長や周りの仲間がサポートしてくれるので、とても助かっています。転職の際の職場選びでは、小学校低学年の子どもに長く留守番させないことを条件にしていました。それが無理なく叶う職場です。

精神科は初めてで、入職前には本を買って勉強しました。でも、現場で患者様と対面すると一人ひとりの状態は個性の延長というか、個別性が大きく、その場で先輩たちから教わることが日々の業務に役立ちました。入職したての頃は全然動けませんでした。使っている用語が分からない、入院形態もこれまで経験のないものばかり、病識のない患者様もいらっしゃる。なんとなく先輩たちの言っていることを理解して、スケジュールを見て、自分で考えて動けだせたのは入職3ヶ月目くらいからでした。様々な患者様と接しながら前職を振り返り、一般科でトラブルになっていた患者様たちには、トラブルの理由があったんだな、こういう対応をすればよかったのかもしれない、という気づきがありました。

現在は依存症の患者様にプログラムが円滑に受けられるようなサポート、ケアを行っています。プログラムの中には患者様が自身と向き合う時間や、依存症について学ぶ時間のほか、自助グループの集まりへの参加などがあります。患者様がそれらのプログラムを受けてどんなふうに思ったのか、辛く感じたことはなかったか、などを傾聴しています。先輩たちは、患者様の気持ちを聞いて、さらに声掛けもされている。私もそんな風になれたら、と思います。子どもの帰る時間に合わせ、16時で退社しているのでたくさんの研修会には参加できませんが、週1回のカンファレンスで勉強会があり、それがすごく刺激になっています。ドクター、心理士、OT、看護師がチームになって患者様を支えている、そこにもっと自分が役立てるようになりたいですね。

ハードルが高い、そう思っていらっしゃる方が多いかもしれません。実際私も「大丈夫かな」と思っていました。でも今は、コミュニケーションをしっかり図って長期的に患者様と関わっていく、そういう看護にやりがいを感じています。病気よりも「人」をしっかり見ようと思うようになりました。患者様の言動には意味があって、自分で予測を立てて行動するようにもなりました。分からない時にはどの先輩も助けてくれます。まだまだ私も質問ばかりしていますが全て丁寧に答えてもらっています。子育て中の方なら家事・育児との両立が叶うようにサポートもしてもらえます。発見や学べることが本当に多くある、長く働ける職場だと思います。