職場
インタビュー

「自分の親が安心して快適に暮らせる」そんな場所をつくろう。５年前、この事業に参入するにあたって抱いていた一番の思いです。介護を取り巻く環境、制度、既存の課題などを色々勉強し「自分なりの価値観」を体現する一つとして、利用者様へのホテルライクなサービス提供を決めました。ホテル支配人がスタッフにマナーを徹底指導。利用者様にお手数をおかけしないように、あらゆるおもてなしをご用意しました。しかし、それは利用者様から、本当に喜ばれる施設のあり方ではなかったんです。皆さんと公園へ出かけたときのことです。お一人の方が、売店でアイスクリームを購入されました。スタッフにも「食べて」と配ってくださいました。本来ならこちらが皆さんのデザートを用意しなければ。まして、スタッフまでご馳走になるなんてとんでもない話。ところが、アイスを購入された方は「あぁ、やっとお金を使えたわ」と、とても満足していらっしゃったのです。はっ　と気づかされました。日常の何でもないやりとり、例えば買い物など外部との接触が刺激・喜びになるのだ、と。時間を置かず、私は飲料やパンなどの販売業者に施設内で定期的に販売してもらうようにしました。「どんな味がするん？」「何円ですか？」「ありがとう、おいしかったわ」交わす言葉は少なくても、それが大きな励みになっている。それを、利用者様の表情で確信しました。今、私たちが提供しているのはホテルライクではなく自宅ライクな生活環境。「安心して快適に暮らす」はもちろん、「明るく楽しく活力を持って過ごす」こともテーマになっています。

地域の寄り合いでは、福祉用具の使い方講座や介護に対する意見交換会を行っています。また、夏休みは小学生がボランティアで掃除をしてくれたり、そのお礼に施設でマジックショーを開催したり。 一般の方も自由に来てくださっていますよ。「地域に貢献したい、還元したい」というのは開設当初から心にあります。ですから、近所で「そのうち私もお世話になりたいわ」と声を掛けてくれる方がいるのは、とても嬉しいことです。今後は、更に民間ならではの柔軟性・スピードを活かして福祉・介護に求められる新たな事業も展開していければ。「エルムに行けば大丈夫」と思っていただけるワンストップサービスを提供したいですね。