職場
インタビュー

つばさクリニックの「訪問診療」は、突発的な病気や怪我に医師が伺う「往診」とは違い、病院を退院して自宅に帰られる患者様を、定期的に訪問・診察するものです。私たち看護師は、例えば、外来の診察室でドクターを支えるのと同じような診療補助業務を中心に行っています。とはいえ、院内での業務とは違う所がたくさんあります。訪問に出かける時は、ドクター、ドライバー、そして看護師の3人が一つのチーム。必要な機材の準備を急ぐ時にはドライバーが協力しますし、また、採血、注射など、看護師１人ではスムーズにいかない処置をドクターがサポートしたりもします。訪問先では、患者様の変化に逐一対応して適切な処置を急ぐ、というよりご家族と一緒に患者様を見守り続けられるようなケアを大切にしています。

患者様の体調変化、表情などはもちろんですが、毎日患者様と生活を共にしているご家族の様子もしっかり見るようにしています。「自宅で看て大丈夫だろうか」「急に悪くなったらどうしよう」「看病を続けていく自信が無い」…など、不安や疲れを抱えているご家族の方は、少なからずいらっしゃいます。そのような方々の気持ちが少しでも楽になるよう、常に笑顔は絶やしません。そして、患者様の状態を、分かりやすく安心してもらえる言葉で丁寧に伝え、また、ドクターに何でも聞きやすい、私たちに何でも話しやすい雰囲気づくりを心がけています。

患者様の安心されたお顔を見られるのが一番でしょうか。通院や看病で家族に迷惑を掛けたくない、病気が心配、などの理由で在宅療養をあきらめていた方が「つばさクリニックが来てくれるから」と、自宅に帰り、ホッとした表情をされているのを見ると嬉しくなります。家に帰って「大好きなものを少しだけ食べたんですよ」と、ご家族から教えていただくときも嬉しいですね。また患者様が小児だと、保護者様が病院での看病につきっきりで家にいる兄弟が寂しい思いをしたり、逆に、幼い兄弟から手が離せず病院に行けない、ということがあります。そのような場合にも、私たちの存在があることで安心して在宅療養を選んでいただき「クリスマスを家族みんなで過ごせました」など、楽しかった出来事を教えていただけるときには、「この仕事をしていて良かったなぁ」と思います。

私たちは「看護師として何ができているか」ということを常に模索しています。患者様、ご家族の気持ちを推し量り、不安・心配・疲労が蓄積される前に何らかのケア介入によってサポートして差し上げられるよう、医療の知識・技術はもちろん、密なコミュニケーションと広い視野を持って看護に臨んでいます。看取りを終えたご家族の支援を行う「グリーフケア」も取り入れました。そこで得られる診療への意見や要望を今後の看護に活かしながら、もっと多くの「家で療養したい」と思われている患者様・ご家族のお役にたちたいですね。また、患者様・ご家族を支えてくれる新人・若手ナースの育成も目標です。現在は、子育て中のママナースをはじめ、中堅・ベテランが多いのですが、自身のライフスタイルに合わせて長く働ける環境ですので、じっくり患者様を見守りながら、住み慣れた自宅での療養を手助けする「訪問診療」にぜひ挑戦してほしいと思います。私たちと一緒に「あなたが来てくれてよかった」と言っていただける看護師を目指しましょう。