職場
インタビュー

私が訪問看護の仕事を選んだのは出産・育児で一旦仕事を離れた後です。ブランクの途中で身内が病気になり、自宅療養を支える家族の一員、という立場を経験。「看護師の私がこんなに“大変だ”と感じる、ということは一般の方にとっての自宅療養は想像以上に苦労があるのではないか。それなら、助けを必要としている方の力になりたい！」と、当時まだ認知度の低かった訪問看護を行うこうなん訪問看護ステーションに入職しました。

私を待ってくださっているご利用者様は小児から高齢者まで、疾患も環境も様々。ご自宅でのケアでは、臨機応変な対応や「何を望まれているのか、何か私が助けになれることはないか」と、心を寄せて声を掛けたり、行動したりすることが、とても重要だと実感しました。不安なこと、困ったことがあればいつでも遠慮なく頼っていただけるパートナーになりたいと思います。

自宅療養を手助けするのが私の仕事ですが、逆に私の方が、頑張り続けていらっしゃるご利用者様やご家族様から、気持ちの面で助けて頂いたり、人それぞれの生き方、考え方を学ばせて頂くことが多くあります。また、「ありがとう」と笑顔で言っていただけるのは大きな喜び。私も、もっとご利用者様、ご家族様の支えになりたいですね。ご家族様の中には、ご利用者様から片時も目を離せず睡眠時間が取れない、必要な家事が思うようにできない、また、心の休まる時がない、という方がいらっしゃるのですが、そのような方には「せめて私がご利用者様のケアをしている間は、どうぞ用事を済ませたり休んでください」と声を掛けさせていただくこともあります。

後輩への指導では、接する相手の気持ちを大事にするようアドバイスすることが多いでしょうか。現場での処置に迷った後輩には、携帯で画像を送ってもらい指示を出しています。経験が浅いうちは戸惑うことが多くても当然。徐々に力を付けてくれたらいいのです。決して簡単ではないけれど、ご利用者様の生活に一歩踏み込んだ看護には、この仕事の原点があるのではないか、と感じています。興味がある方には、是非挑戦して欲しいですね。