職場
インタビュー

新卒で入職したがん専門病院で、がん看護の基本を学び、その後診療所在籍中に、がん性疼痛看護認定看護師資格を取得。その後、家庭医療を理念とする岡山の診療所勤務中にはメッセンジャーナースの認定を受けました。診療所では、これら専門知識を活かそうと在宅医療連携支援の部署を開設し、先輩ナースの患者様への接し方に触れながら、地域で在宅の患者様から頼りにされる看護師のあり方を学びました。その上で、新たに自分の手でこの事業所を立ち上げたのは、看護師として自立したかったからです。私は、看護師である自分の責任のもとに、患者様の生活に重きを置いたケアができる環境をずっと探していました。自分の決断が、患者様、ご家族様の生活・人生に大きく影響する、という大きな覚悟を背負ってでも、「この患者様にはこのケアが必要！だからするんだ」と言い切れる自分でありたい！という強い思いがありました。そこで、在宅看護センターを開設しようと決意し、日本財団が開講した「在宅看護センター起業家育成講座」に参加したのです。

保健医療政策、施設での実地研修、また、事業を発展させていくために必要な組織運営の方法、マーケティングなどを学びました。講座受講中も月に1回は岡山に帰り、事業所を構える立地についてリサーチを継続。一緒に受講する仲間、先生と結果を分析・精査し、岡山での活動拠点を決定しました。都市部でも、古くからある住宅地やマンションでは高齢化が進んでおり、そばに頼れる親族のない単身世帯、高齢者夫婦世帯が多くあります。そのような方々から気軽に相談してもらえるよう、私たちがエリア内に多数ある医療機関と連携し、地域の皆様の暮らしを支えていけたら、と思っています。

覚悟に大きな違いがあります。これまでも、一緒に働くスタッフのことは考えているつもりでした。しかし今考えると、当時は自分の思いが強すぎるところがあったと思います。現在も自分の理想を達成したい、との思いは変わらず持っていますが、それだけでなく、スタッフの理想・人生との摺合せを考えられるようになりました。人の人生を預かっている、という覚悟です。最初は事務兼相談員1名と私以外の看護師1名、合わせて3名でのスタートですが、これから、看護師、PT、OT、…とスタッフを増やしていきたいですね。私だけではなく、仲間みんなで「利用者様にとって何がベストなのか」を議論し合いながら、楽しくやりがいを持って働ける環境をつくりたい。自分たち主導で何もかも決定し進めていくためには、きっと困難もあるのでしょうけど、みんなで笑いながら頑張れる、そんな雰囲気の事業所になるといいな、と思っています。

まずは、地域の皆様の生活にぐっと近い存在になれたら、と思います。例えば、利用者様とは入院中から関わり、医療と在宅後の生活をきちんと繋げたケアを実現したいです。利用者様それぞれにあらゆる制約がある中で、「この利用者様に何が大事なのか」を考えられる看護、「この利用者様がどんな風に生きたいのか」を汲んで寄り添える看護、そのために私たちができることは何か、何をすべきか、…この点においては、しつこいくらいにカンファレンスします。それが、私、そして「晴」の理想の看護なのです。経験が浅くても、興味がある方は、これからスタートする私たちと一緒に在宅看護を学んでみませんか。キャリアのある方とは、看護への思いやこだわりを語り合えれば、と思っています。利用者様そのものを大切に思って、利用者様のためのケアを考え抜く。そんな看護のあり方が、もっと広がって欲しいと思っています。