職場
インタビュー

学生時代は介護を学んでいましたが、最初の就職先は歯科医院でした。しかし、歯科助手として訪問診療に同行する中で「やはり介護の仕事もやってみたい」と密かに介護職への興味も大きくなっていました。結婚を機に歯科を退職し、出産を経てパートを始めよう、と選んだ職場は介護の現場。訪問ヘルパーとして、様々なお宅で様々なご利用者様と接しました。ご利用者様やご家族様が、日常の中の不便や不安をなくすために私たちを必要としてくださり、私たちは、プロとしてどれだけそれに応えられるか一生懸命に頑張れる、そんなやりがいを強く感じました。現在は特養の施設で過ごされるご利用者様と毎日を過ごしています。「ここに居て楽しいな」と感じていただけるよう、ここでも一生懸命、介護環境の改善に取り組んでいます。

機械に頼るばかりでなく、人の手で入浴を介助するのが私のやりたい介護の一つ。以前は入浴委員として改革を進めていました。入浴時間には、利用者様とたくさん言葉を交わして、普段聞けないお話や「本当はこんなことして欲しい」という要望を伺えるチャンスを作っていました。「吉備中央町の出身でな、昔は風呂に牛乳を入れようたんじゃ」と懐かしいお話を聞かせていただけたり「紅葉を見に行きたいなあ」と会話をしたり。入浴の時間には、日々の生活をより充実したものにしていくためのヒントがいっぱいあると思うんです。この、私の気持ちは今も若いスタッフたちによって受け継がれています。温泉のように湯船に何か浮かべたり、入浴剤を使って楽しく入浴時間を過ごす「おふろまつり」の企画が進んでいるんですよ。

「おふろまつり」もそうですが、経山会では現場の声・意見が大切にされ、現場のスタッフたちが主導で新しい改革や、課題解決のための取り組みを、どんどん進めています。私たち管理者は、ミーティング最中に「どうなってる？」と声掛けしたり、相談があればアドバイスもしますが、基本は現場スタッフの「こうしてみよう！」という決定を尊重し、彼らの奮闘を見守っています。自分たちで考え、決定し、実行できる、そんな人材に育ってほしいと思っています。現場のスタッフたちが協力して、より良い施設をつくっていくチームになり、お互いに刺激し合いながら成長してくれるといいですね。

10年以上前に出会った先生から学んで以来、訪問ヘルパーをしていた時も、デイサービスにいた時も自分の仕事に役立っていた「楽ワザ介護」の勉強会を実施しています。これは、介助者の身体的負担が少なく、また、繰り返し行うことで利用者様が動きを再獲得することも目指せる介護技術。この、利用者様と密に接し、コミュニケーションを取りながら行う介護の手法を、スタッフのみんなに伝えたいと思っています。外部への研修にも積極的に参加していますよ。やりたい介護を極めるために、今できることは、今やりたい、楽しみながらやりたい、と思います。利用者様にとっても、働くスタッフにとっても過ごしやすい環境づくりのために取り入れられることがあれば、新しい挑戦もしていきたい。若いスタッフたちが、これからもやりがいを持って楽しく働ける職場づくりを目指したいと思っています。