職場
インタビュー

明治35年の創業以来、運輸、電気工事など多岐に亘る事業を展開し、18のグループ企業、1900人を超える社員を傘下に持つ中谷グループが当施設の母体です。介護事業として10年前にオープンした「ヴィラ・プランタンせとうち」の運営ノウハウを活かし、上質な“終の棲家”を実現するため、このサービス付き高齢者向け住宅を開設しました。１階にデイサービスセンターとヘルパーステーション、ケアサポートセンターを併設、２階・３階にはご利用者様が住まわれる50室があります。高級ホテルのように上質な環境・設備で最上級のおもてなしを提供いたします。

認知症の方、寝たきりの方、一般の方、の３ゾーンに分け、それぞれの方にあった生活のお手伝いを行っています。認知症対応ゾーンでは、中四国初の認知症予防・進行抑制システム「レミニンシステム」を導入しました。懐かしい映像を眺めながら、利用者様は活躍されていた時代を思い出し、スタッフたちと「こんなことがあったんよ」と会話を弾ませます。これが脳の活性化につながり、また、自信を取り戻すきっかけにもなると効果が期待されているのです。その他のケアでも、私たちは一人ひとりの身体の状況やこれまでの暮らし、どんなことを楽しんでもらえるか、快適に感じてもらえることは何か、を考え優先しています。食事では、摂食・嚥下状態に細かく対応し、なおかつ、味付けやいろどり・見た目にもこだわったメニューを提供しています。

例えば折り紙を色紙に貼った作品を作るときには、どの方も素晴らしいクオリティのものが仕上がるようにします。紙を折れる方には最初の段階から作成していただきますし、糊付けができる方には糊付けまでの課程をスタッフが作り置きしておいて、仕上げの作業に取り組んでいただきます。たとえ工程は少なくても、ご自身が関わってつくり上げた、ということに意味があります。一人ひとり、無理なく楽しんでいただけるよう、スタッフたちはきめ細かく心配りをし、サポートしています。ご家族は「こんな素敵なものがつくれたの？」と喜んで飾ってくださいます。利用者様もとても嬉しそうにしていらっしゃいます。この他、料理を楽しむクラブもあります。同じように、すべての工程に関わるのではなく、味見をする、食器を並べる、みんなで一緒に食べるだけ、という方もいらっしゃいますが、このような活動も重要なリハビリの一つだと思っています。

私たちは、利用者様が、誰かと関わり合う時間、誰かが自分のために何かしてくれている時間を快適に過ごせるように心がけています。頑張れ、ファイトのリハビリはしません。歯磨き、食事など普通に暮らしていく日常そのものがリハビリ。折り紙や料理のクラブに出向くために身なりを整える、「こんにちは」とあいさつをするなど、気負わなくてもできることがたくさんあります。スタッフのマッサージで心地よい時間を過ごしてもらうのも、優しく食事をお口に運んでもらうのだって刺激になるでしょう。利用者様が「幸せ」に感じていただけるのが一番だと考えています。私たちが提案するのは、「全部できるようにする」ではなく「“できる”を喜びにつなげる」リハビリです。利用者様との会話を大切にしながら、心のリハビリもできればいいなと考えています。