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はたらきたい 未来への一歩

次の夢

「今はまだ赤じゃ」
「青になったから渡れるで」
横断歩道で信号待ちをしていると、そんな風に、小学生の子どもたちが声を掛けてくれることがあるそうです。
ルミさんは、子どもたちが自分自身やエールのことを心配してくれることがとても嬉しく、いつも子どもたちがどこの小学校なのかを聞き「親切にしていただきました」と、学校にお礼の電話をしています。
それがきっかけで、小学校から講演を依頼されることが時々あります。
講演のため子どもたちに会いに行くことは、ルミさんにとって一つの楽しみとなっています。
講演で話しているのは、自身が目が見えないことについてや、補助犬(盲導犬や介助犬、聴導犬)について。
補助犬たちは、人が立ち入ることのできるさまざまな場所で受け入れるよう、「身体障害者補助犬法」で義務づけられていますが、いまだに入店拒否や乗車拒否をされることがあるそうです。

小学4年生が授業で学ぶ福祉に関する公演を行っています。

また、お店の中で子どもたちに怖がられたり「入っちゃダメなんで!」と言われることもあるそうです。
ルミさんは「補助犬たちやその同伴者が、もっと暮らしやすい社会にしたい」と、小学生に犬たちの役割や、そのような犬に出会った時にやって欲しいことなどを地道に伝え、社会貢献につながる活動をはじめているのです。
職場でも次のチャレンジへと気持ちが動いています。
それは認知症についてもっと深く知ること。
認知症の方々はとても増えていて、症状も多様です。
鍼灸マッサージ師として、ケアマネジャーとして、介護福祉士として、学ぶことをやめないルミさん。
そんなルミさんができることは、どんどん広がっています。
インターネットで文献や最新の情報を集め、実際の利用者様との関わりをたくさん経験し、また、職場のセラピストと協力しながら、「ひとりでも多くの利用者様の役に立ちたい」と思っているそうです。

【エール号/7歳・雄】

あるとき、交通量の多い交差点でのこと。
横断歩道を渡ろうとするルミさんの前に信号無視をして飛び込んでくる車がありました。
まわりにいた他の通行人たちが「危ない!」と感じたその瞬間、エールはとっさに自分の前足をクロスさせるようにルミさんの足の前に出しました。
ルミさんは、つんのめりながらも立ち止まることができ、事故は避けられました。
通行人たちからは「良かった」「危なかった」「大丈夫?」と拍手が。訓練所では習っていない行動でルミさんを守った、優しく勇敢な盲導犬。落ち込んでしまったルミさんの愚痴を、きちんと座って聞くのも得意です。

ルミさんは、今日も仕事を終え、エールと家に帰ります。
「おつかれさま!」と同僚に声を掛けるルミさん。
まわりを元気にする笑顔が自然とこぼれます。
つらいこと、しんどい思いを人の何十倍も何百倍も経験して、それでも、前へ、前へ、と進んでいくルミさん。
ひまわりのような笑顔の種を、出会った人々に惜しみなく届け、職場で、まちで、新しい活動の場で、もっとたくさんの笑顔の花を咲かせようとしています。

あなたにとってはたらくとは、どんなことですか?

この問いに、
ルミさんは

笑顔でいること。

まずは自分が笑顔でなければ
利用者様を元気にすることはできませんから。

あとは、
お世話になってきた方や
応援してくれている方々への
恩返しです。

だから、あきらめません。

と、ひまわりのような笑顔で
答えてくれました。

ルミさんと私たちとの 出会いのきっかけをつくってくれたのは リスコにご登録のセラピストでした。
ルミさんの存在を知り、 実際にお会いし、お話を聞かせていただきながら 私たちは、ルミさんの頑張っている姿を、 リスコに相談に来てくださる就活中の方はもちろん たくさんの方にお伝えしたい。
そんな思いで「はたらきたい」の取材を進めました。
そして、ルミさんが勤務している施設の皆様、 ルミさんご本人、エールくんからも 多大なるご協力をいただくことが叶い 私たちの思いを冊子にまとめることができました。
皆様、本当にありがとうございました。

この一冊が、 様々な不安や悩みを抱えながらも、 医療・福祉関係への就職活動に挑む方々にとって 次の一歩を踏み出す勇気や、 チャレンジする力につながるものとなることを 心より願っております。

リスコスタッフ一同

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